20180121
「奇跡の5人」っていう言葉が独り歩きし始めたのはいつ頃からだろう。
国立2日目のしおりんの挨拶で発せられたその言葉が、いつの間にか独り歩きしていっていたのか。解散・卒業・脱退・活動休止……浮き沈みの激しいグループが多い中で、我々ももクロのオタクだけは蚊帳の外、みたいにどこかで安心していた部分もどこかにあるのかもしれない。でも、当たり前のように続くことなんてどこにもないのだと思い知らされた、2018年1月15日。
ギリギリで声を掛けてもらってどうにか入り込めた幕張メッセ。
「ももクロは“奇跡の5人”って言われることがあるけど、私は実はあんまりそうは思ったことがなくて。この4人とモノノフさんでももクロだと思っています。」そんな自己卑下にも似た謙遜をして卒業していった彼女。その言葉を聞いた時、ああ、もう彼女の心はここではなく未来を見てるんだな、と感じたと同時に、一瞬にして何かが冷めていくような、不思議な気持ちになったのを覚えている。
あの言葉があったから、最後の「あの空へ向かって」も穏やかな気持ちで聴くことができたんだけど、あれは彼女なりの、ファンに対しての最後の気配りだったのかな、とライブのあと冷静になっていろいろ考えてみると、そう感じるようになった。
それでも、自分にとってはやっぱりあの5人は本当に特別で、5人じゃない10周年がこれからどうなっていくのか想像もつかなくて、今はまだ途方に暮れている。
なんとなく思うのは、奇跡のように超人的な人間が5人集まったっていうことではなく、これだけ違ったパーソナリティーを持った人間が、偶然に同じ時代に同じところに集まった。そして、これだけ多くの人たちを魅了しながら同じ時を駆け抜けた。その事実こそが「奇跡」なんじゃないかと思う。もしかしたら本人は、いつからかある種の「呪縛」のように感じてしまった言葉なのかもしれないけど、それでもやっぱり有安杏果さん、あなたも「奇跡の5人」のうちの一人だったんだよ。なんかうまくいえないけど、そう思う。
とにかく有安杏果さん、8年間本当にお疲れ様でした。俺の推しでいてくれてありがとうございました。
また、いつか、どこかで。