20171025

Mellow Waves Tour 2017 東京@新木場STUDIO COAST DAY 1。

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Setlist

01. Opening
02. いつか / どこか
03. Helix / Spiral
04. Drop
05. Point of View Point
06. Count Five or Six
07. I Hate Hate
08. Wataridori
09. The Spell of a Vanishing Loveliness
10. Tone Twilight Zone
11. Smoke
12. 未来の人へ
13. Surfing on Mind Wave pt 2
14. 夢の中で
15. Beep It
16. Fit Song
17. Gum
18. Star Fruits Surf Rider
19. あなたがいるなら

En1. Breezin’
En2. Chapter 8 -Seashore and Horizon-
En3. Autobacs ~ E

 

思いつくままに感想を述べてみる。

 

リリパと比べてお客さんが静かな気がする。久々のライブということもあって、一挙手一投足から演出に至るまで全てを見逃したくないからか。まあツアーは9年ぶりだし、以前のライブを全く観たことがない新規の人もいるだろうし、そうなるのはなんとなく分かる。

 

今回のOPの演出も一見サラッとしてるけどすごく好み。場内SE<Suzanne Ciani / The Third Wave>からの流れでめちゃくちゃ自然に始まる感じがいいよなあ。「あなたがいるなら」のトラックがベースになってるんだけど、なんとなく「Typewriter Lesson」を想起させる展開。響くバスドラのキックと、リムショットの音で身が引き締まる。

 

hello.

everyone

Welcome to

Mellow Waves

 

って出てくるところでめちゃくちゃブチアガる。ライブがこれから始まる…! っていうワクワクする感じを味わうのは久しぶりだなあ。リリパでも思ったことだけど、最後に観てから8年、待った甲斐があった。

 

東京公演は、ツアーも折り返しを過ぎているせいか、さすがに新曲も含めて演奏慣れしている感じ。当たり前だけど7月より演奏が俄然タイトになってた。

 

幕が落とされてからの「いつ/どこ」はやっぱりテンションあがるなあ。ギターソロもめちゃくちゃカッコイイ。
その次に「Helix / Spiral」と「Drop」ってちょっと落ち着いた曲が続くのが、「Mellow Waves」って感じがする。ブチアゲ曲連発、みたいなライブはお客さんも今更期待してないだろうし。中盤に出てくるシンセのアルペジオが手弾きなんだけど、リリパの時と違って安定感があった。

 

Drop」で一番好きなのが、ギターとベースの3人が、パート分けされたイントロを堀江君→小山田君→大野さんの順でワンフレーズずつ弾いていく、掛け合いみたいなところ。あそこめちゃくちゃグッと来る。あと、コーラスが劇的に違う。大野さんがいるおかげで、今までライブだと小山田君・堀江君の男声のみのハモリだった部分が、大野さんの上ハモが加わって厚みが出てて良さがすごい…(語彙力

 

「Point of View Point」、気のせいかもだけどシーケンス増えてる…? コーラスのパート分けが変わってるのは分かったけど、それ以外にも微妙に以前と違ってるような。

POVP〜Count Five or Six〜I Hate Hateっていう流れはPointツアーでもSensuous Synchronized Showツアーでもやっているパターンなので9年ぶりだろうがなんだろうが既にカラダが覚えすぎていて、オートで反応してしまう。

めっちゃ飛び跳ねたいんだけど仕事帰りの服装なので、その場の小ジャンプぐらいで若干自重した。でも頭はめちゃくちゃ振った。お客さんは前の方の人もそんなにわさわさしてなかったな。いいの???  次ナマで聴けるのいつかわからないのに???? (干されてた曲が久々にセトリに入ってた時のオタクのリアクション)

 

Wataridori」は過去のツアーと違ってベースがシンセベースになったせいか過去の演奏とはもはや別物。「Wataridori 3」*1って勝手に名付けてみているが特に誰にも浸透はしていない。

なんとなく思ったけど、リリパの時とは弾き方変えてるのかなあ。ミュートとアタックのメリハリが以前よりはっきりした気がする。
曲始まってすぐビートに合わせて軽やかにステップを踏むホリーかわいすぎか…!
そしてこの曲に限らずだけどあらきさんのドラミングは相変わらずとんでもない。叶うなら一度スタジオでの練習風景を見てみたい。

 

「The Spell of a Vanishing Loveliness」、大野さんのボーカルってほんと不思議な魅力あるよなあ。MVもすごくよかった…。爪がキモかった…。

 

「Tone Twilight Zone」のリフがベースになっていて、この曲も大野さんフィーチャー曲に。後半少しハウってた気がするので明日はそれが改善されるだろうか。やっぱりベースの和音は出音の調整が難しいのかな。前回見たのは多分From Nakameguro to Everywhereのツアーだったと思うんだけど、その時は音源と同じくギターがメインだったので、今回のベースリードは、また少し違った趣だった。

 

Smokeはやっぱり「いつか / どこか」と雰囲気が似ている気がする。MVのオブジェクトと実際の音がリンクしてるところなんかも含めて。

 

「未来の人へ」、小山田君がThe Smithsって言ってたの超わかる。ギターの音像がシンプルになったThe Smithsっていうか。MVめちゃくちゃ良いので、ツアー終わったらYoutubeで公開するか、もしあれだったら課金するのでアルバムのMV集を…。

 

映像ドラッグこと「Surfing on Mind Wave pt 2」を挟んでプリファブ曲「夢の中で」。サビのハモリ小山田君が下歌うんだな。今回のアルバムインタビューでも言ってたけど、無理なく歌えて声張らないタイプの曲がライブでは演りやすいのかしら。

 

Beep It」、間奏のところで親の仇のようにカウベルをぶっ叩く堀江君…好き…。あと、ちょっと外れたタイミングでカウベル入れると、あらきさんがそれを見てウケてて「笑顔かわいいかよ…」ってなってた。

 

「Fit Song」後半のカッティング部分、SSSツアーとかリリパの時とギターの音変わってて、ちょっとワウ入ってた。
あと、これ確かFit Songだったように記憶してるけど、途中堀江くんのシンセの音が出てなかった瞬間があった。なんかトラブルだったのかな。

この曲って、あのポリリズミカルな曲のキメ完璧に覚えられるとちょっと楽しくなる。

 

「Gum」は、ボーカルの歌い分けもすごいけど、ドラムだけ聴いてるとまたこれがものすごく難しくて、あらきさんやっぱすごい…って毎回なる。

 

そして「Star Fruits Surf Rider」。間奏で堀江君がトランペット吹いてミラーボールが回り出すところ、「COASTのどでかいミラーボールはこの曲のためにあったんだ…!」って言いたくなるぐらいの演出で、最of高……!!!!!! ってなって、ここで完全に優勝が決まってしまった決勝タイムリーな感じがあった。COASTの壁面に映し出されている色とりどりの反射光の中に、過去自分が観てきたCorneliusのライブやそれにまつわる思い出の数々を見てしまって(完全に妄想)時の流れを感じて(これは現実)ちょっと泣いた。

 

そしてSFSRのアウトロからの「あなたがいるなら」。リリパでこの繋ぎやるのは知ってたけど、やっぱりめちゃくちゃ良いな。時折入るリヴァーブが効いたスネアの音でハッとする。あと、ギターソロが2回ともエロ過ぎる。艶というか色気というか。Mellow Wavesはアルバムを通してとにかく温度や湿度を感じる。それがすごくいい。

 

ライブでの興奮や思い出迷子が過ぎたせいで手汗と心の汗が滝のように流れ外も中もびちょびちょになったところで本編終了。


Thank you very very much, everyone.
Mellow Waves

 

と、演奏に合わせてモニターに文字が順番に映し出される。表現は違っても、このあたりはSSSツアーの時から一貫してるなあ。素晴らしく完璧なShow。

 

 

鳴り止まない拍手が続き、しばらくして再び4人がステージに登場。
アンコール1曲目、アコギで演るBreezin’が新鮮。リリパだと「いつか / どこか」の次に置かれてたんだけど、曲調的に始まりの歌っぽい印象があるのでアンコールに持ってくるのはだいぶ意外な感じがする。

 

Chapter 8はリリパでも聴いたがやはり素晴らしい。今回のツアーというか、Mellow Wavesにはぴったりかもしれない。再発見曲。

 

そしてライブでド定番のE。今回はどんなアレンジでくるのかと楽しみにしていたが、まさかのAutobacsからのEで大興奮。Autobacs…!!!!!  New Rockに入ってる中で2番目ぐらいに好きな曲…!!!!!!! この場でBuffalo Daughterの曲が聴けるとは思ってなかったのでめちゃくちゃ嬉しかった。Eのバージョンは、SSSツアーの時とそれほど変化はなかったかな。Sensuousツアーの時のバージョンが完成形?(っていう言い方も変だが)なのかな。お客にキメの数字を言わせるあの演出も相変わらず。過去はヒヨコのオモチャとかウインドチャイムとか、色々やってたなあ。そういえばサンプラーも出てこなかった。一度でいいからあれを押してみたい人生だった。

 

セットリストはOpening、アンコールも含めると全22曲。アルバム毎の内訳は以下の通り。

(OpeningとEはアルバム未収のためカウントせず)

 

曲の配分については色々意見もあると思うけど、ツアーともなると、リリパやフェス、客演みたいな時の「流れは多少ありつつの全部4番打者」みたいな感じと違って、Fantasma以降のアルバムから満遍なく組まれて、オールタイムベストとまではいかないけど、硬軟織り交ぜたバランスの良いセットリストになるのは当然なんじゃないかな。新譜だけやられて10曲で終わり、みたいなのもちょっと違うし。新譜のツアーでアルバム曲10曲中7曲やってるし、まあバランスとしては悪くないんじゃないかと。

 

ちなみに演奏されなかったのは「Mellow Yellow Feel」「The Rain Song」「Crépuscule」の3曲。MYF以外はちょっとライブ向きではないような曲調なので、このセレクトはまあ正しいんだろう。機会があればライブアレンジされたMYFも聴いてみたかった。でも、あの曲ちょっと間の抜けた呑気さがあるので、ライブの雰囲気には合わせづらそう。あと、曲のストックとしてはシングルカップリングの「悪くない。この感じ」もあるのか。(どんな曲だったか忘れてしまった…)

 

それと、残念ながらSensuous Synchronized Showまでは入っていた超ド定番曲「Brand New Season」は外れていた。確かに今回のセットリストに組み込もうとすると置き所に悩みそうなので、これはこれで良いのかもしれない。

 

あと、今回のアルバムだと「無理なく歌える曲」っていうのがポイントになってた気がするので、BNSが外れたのはそういう理由もあったのかもと勘ぐってみる。個人的にはBNS、特にテルミンでのラブミーテンダー演奏終わりから「♪星には夜があり〜♪」あたりにかけてのところが多幸感過多で脳汁出まくるポイントなので、また機会があったらライブで聴かせてくださいお願いしますなんでもしますから…。

 

リリパと違っていたのは新しく追加になった映像が付いた曲。「The Spell of a Vanishing Loveliness」「未来の人へ」「Surfing on Mind Wave pt 2」。The Spell of〜はムース?の泡が女の子の形になって手の上でいろいろ動く、CGを使ったファンタジックな雰囲気。作ったのは辻川さんかなあ。最後に爪がやたら伸びてくとこがちょっと怖かった。スミス曲こと「未来の人へ」はとにかく猫と自転車。こっちはGRV? 机の上にさり気なくMello Yelloの缶が置いてあって、あのロゴ使うのに許可とったんだろうか…などと無駄に想像した。

 

一番驚いたのが「Surfing on Mind Wave pt 2」。アルバムではインターミッションというか、所謂箸休め曲的な感じで聴いていたのだけど、これも生演奏だとぜんぜん違う。さらに映像と照明の効果もあってガンギマってしまった。今回のセトリの中で一番意外性があった演目だったかもしれない。

 

全体を通して言えるのは、やっぱり大野さんがメンバー入りした効果というか、以前と比べてコーラスワークが抜群に良くなった気がする。やっぱり男声×2・女声×2っていうバランスの良さは大きいというか。あとは、大野さんがとにかく器用というか、ベース・Moog・コーラスって大活躍で、smallBIGsファンの俺大歓喜


Showとしての世界観の多彩さは、正直なところSSSの方があったのかな…となんとなく思うけど、今回のような、とてつもないクオリティーをさらっとした演出で見せる(魅せる)手法は、Mellow Wavesというアルバムと2017年のコーネリアスには丁度良いような気がした。過剰すぎず、かと言って物足りなさもない、まさに「ほどよい」雰囲気の中で行われた最高のライブだった。明日も行く。

*1:Wataridori 2」はSound × Vision 2004っていうコンピに収録されているエレピ版。飛んでる鳥の内の一羽が撃たれて落ちる時のガラスが割れるような効果音はこっちのヴァージョンに入っている